行事報告
平成28年度・北信越管区教化セミナー(報告)
開催日:平成28年10月16日(水)
会場:新潟県上越市「ワークパル上越」
テーマ:非思量という調心 ~今、ここに、在る~
26年度は、「坐禅の調身」をテーマに
27年度は、「坐禅の調息」をテーマに研修を行いました。
本年度は、「坐禅の調心」がテーマです。
講師は、昨年と同様に
藤田一照老師(曹洞宗国際センター所長)と
藤本靖 先生(身体論者・ボディーワーク指導者)の
お二人の先生にてコラボレーションで進めて頂きました。
内容は、下記の通りです。
アイスブレイク
Ⅰ 調身(正身端座)/調息(鼻息微通)に心を致す調心
「衲子の坐禅は、直須(ただ)端座正坐を先とすべし。然して後、
調息に心を致す。」(『永平廣録』巻五)
前2回のワークショップのおさらい
第1回 調身
坐骨・骨盤 骨盤・骨格で坐る 前縦靱帯「背骨の前側を思う」
水平線の意識 外筋を休め内筋に任せる
バランス アラインメント&リラックス
第2回 調息
横隔膜の自律的運動
呼吸の自動調整システム
「呼吸の3ステップ」
「調息」しない<調息>
非思量=思量箇不思量底=不思量底如何思量 長空不礙柏雲飛 青空と雲
高いところに立って低いところで乱れない
思いは絶滅すべき敵ではない 「無心」「無念無想」の誤解
「雑念」こそ「正念」
坐禅は「雑念を払う」営みではない
「思いの手放し」(内山興正老師に表現)
思いを嫌って外に押し出すことはない。思いを浮かぶに任せ
消えるに任せておくだけ「追うな、払うな」
骨組みと筋肉で正しい坐相(正身端座=鼻息微通のプロセス)を狙い続け、
あとは一切それに打ち負かせていく
Ⅱ 内観のワーク
内観の対象
1.内部感覚(からだ)
2.外部感覚(外の世界)
3.思考(マインド) 感覚のトラッキング 気づき
思考を無理やり起こさないようにするのではなく
自ずと起こらないようにする 内観のメソッド
感覚との付き合い方
感覚をとらえようとするのではなく 感覚が湧き上がるにまかせる
Ⅲ Inside-outで 呼吸を一から体験してみる
腹式呼吸
胸式呼吸
逆腹式呼吸
密息
内臓呼吸
内臓と歩行
四足動物の歩行と2足直立歩行 経行と内臓
内臓感覚
日本語の「身(み)」の意味するもの
から(殻)と み(実、身)
正しい姿勢 外形ではなく内臓が最も働きやすい状態
Ⅳ 三丹田のワーク 内部の調和
・上丹田、中丹田、下丹田
・三丹田の調和
・坐禅
Ⅴ 目と意識
・両眼視について
・片眼視のワーク(眼帯)
・光刺激により生体リズムを作る
・半眼の意味(閉眼と開眼のあわい)
・両眼のバランスをとるワーク
Ⅵ 調心の方向性 今・此処に・ただ在る
・空間的共鳴/時間的共鳴 前縦靱帯と横隔膜の脚
・筋膜と筋肉の調和
・歩行と呼吸の調和
・坐禅
Ⅶ 体内リズム 呼吸と拍動
・拍動(血の流れ)を感じるワーク
・拍動と呼吸のリズムの調和
・坐禅
本年も、身体についていろいろとご教示を頂き、様々なボディワークを
行いました。
詳細につきましては、「講演録」にまとめます。
来年度も、「調心」について研修を深めたいと思います。