告諭・教化方針
布教教化に関する告諭
今、世界は多くの問題や課題を抱え、私たちは苦しみや悩みの多い社会を生きています。その中で人びとが宗教に求めるものは、心の安らぎと平和な世界です。
曹洞宗は、お釈迦さまと、そのみ教えを日本に伝え弘められた道元禅師、瑩山禅師を一仏両祖と仰ぎ、歴代のお祖師さまが脈々と伝えられてきた坐禅を中心とした正しい信仰にもとづく生き方を、日々の生活に実現していくことを目指しています。
その生き方とは、あらゆる存在が「縁」によって成り立っていることに心の底から気づき、そこで自ずと生まれる感謝の心を、行いと、言葉と、思いにして、すべての存在に回らし向けていくことに他なりません。
一杯のお茶が出されたならば、それを丁寧にいただく。而今なすべきことは、心を込めてつとめる。毎日が、かけがえのない「縁」と「いのち」の営みであることを自覚し、世界中の人びとが誰一人取り残されることのないよう、ともに願い、祈り、まずは自分自身から正しい信仰の生活を営んでまいりましょう。
合掌
南無釈迦牟尼仏
南無高祖承陽大師道元禅師
南無太祖常済大師瑩山禅師
令和八(二〇二六)年四月一日
曹洞宗管長 石附周行
令和八年度布教教化方針
曹洞宗の布教教化は、人びとが一仏両祖のみ教えを実践することで、深い喜びと安らぎを得ることを願い、その実現を目指します。
本年度の布教教化方針は、布教教化に関する告諭の「世界中の人びとが誰一人取り残されることのないよう、ともに願い、祈り、まずは自分自身から正しい信仰の生活を営んでまいりましょう」とのお示しを受け、これまで推進してきた「禅の実践」「一仏両祖への帰依」「菩薩行の実践」とともに、「誰一人取り残さない」を基本理念とするSDGs(エスディージーズ)への取り組みを、信仰実践の一つとして推進することといたします。
宗門においては長い間「人権・平和・環境」のスローガンのもと、さまざまな取り組みがなされてきました。これらは貧困や差別、環境や平和の問題を包括的に理解し、連携して取り組もうとするSDGsと、理念を共有するものです。世界中の人びととともに、未来の「いのち」を守ることを考え、身近な生活を振り返り自分が出来ることに取り組んでまいりましょう。
以上の取り組みと同じく、令和六年能登半島地震への対応と支援、東日本大震災及び原発事故など多発する災害の被災地支援と自死問題への対応、部落差別をはじめとするあらゆる差別の根絶と人権の確立、戦争のない平和な世界の実現、地球環境の保全などの取り組みも引き続き進めてまいります。
現代社会では、宗教のありかたが根底から問われています。今次内局が定めた「人びとの声に心耳を澄まし、社会とともに歩む」の基本姿勢に表されるように、いまこそ、私たちは我が心を振り返り、人びとに歩み寄り、小さな声、声なき声に耳を澄ませて、社会とともに歩んでまいりましょう。
その基軸となる指針として、以下の項目を定めます。
一、坐禅の実践をすすめます。
私たちは、寺院の内外を問わず、さまざまな機会において坐禅の実践をすすめます。より多くの方が坐禅に親しめるよう、いす坐禅をはじめ、インターネットを活用した坐禅会や動画の配信等を通して、坐禅の普及につとめます。不安で落ち着かない社会の中にあっても、身と息と心を調える坐禅を中心とした「禅の生き方の実践」が、智慧と慈悲を育み、確かな人生の基軸となることを人びとに伝えひろめます。
二、一仏両祖への敬慕を深めるお唱えの普及につとめます。
私たちは、日々「南無釈迦牟尼仏」「南無高祖承陽大師道元禅師」「南無太祖常済大師瑩山禅師」とお唱えし、そのみ教えを学び、日々の行いに生かしていくことの大切さを伝えてまいります。
三、『修証義』「四大綱領」に基づく菩薩行の実践をすすめます。
私たちは、宗門の教義である『修証義』「四大綱領」に基づき、布施・愛語・利行・同事の四摂法に代表される菩薩行の実践をすすめます。世界中の人びとの幸せと安寧を願い行動することが、自らを菩薩として成長させる大切な修行になること、更にはそれらが自他共どもの深い喜びと安心につながることを伝えてまいります。
四、人と人とのつながり、「いのち」のつながりを大切にして、全ての人びとが救われる関係づくりをめざします。
私たちは、寺院を場とした教化活動にとどまらず、積極的に地域社会に働きかけることで、人びとの悲しみや苦悩に学び、寄り添い、支え合い、分断のない、心が通う温かな関係を築けるようつとめます。また、供養などの仏事が簡略化されがちな世情の中で、改めて、亡き人とともに生きる大切さを伝え、出来る限りのご供養が営めるよう力を尽くします。
※SDGs(Sustainable Development Goals)は「持続可能な開発目標」と訳され、二〇一五年の国連サミットで加盟一九三ヵ国の全会一致で採択された「貧困や飢餓の解消」「平和的社会の実現」などに関連する十七の課題を、統合的・包括的に解決していこうとする国際目標です。
曹洞宗義援金ご協力のお願い
「東日本大震災」に対する義援金を受け付けております。
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SOTO ZEN ロゴマーク

- 坐禅 ...... 3つの円が、身体・手・法界定印をあらわす
- 人権 ...... 一つひとつの円が、人間の尊厳をあらわす
- 平和 ...... 全体を包む円が、「和」をあらわす
- 坐禅 ...... 3つの円が、身体・手・法界定印をあらわす