永平寺雲水体験レポート
曹洞宗の大本山である永平寺(福井県)を舞台に、親子が2泊3日の雲水(禅の修行僧)体験を行う人気のイベントです。坐禅や作務、写経など、禅の教えに触れるきっかけとなるバラエティに富んだ企画が行われるほか、たくさんの人と生活を共にするなかでさまざまなことを学ぶ3日間です。19回目の開催となった2017年の模様をお伝えいたします。
新型コロナウイルス感染拡大状況に鑑み、2021年の開催は中止とさせて頂きます。
開催を楽しみにされていた方々には、大変申し訳ございませんがご理解の程お願い申し上げます。
プログラム
- 【1日目】
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13:30 オリエンテーション 14:00 開講式 16:00 坐禅 17:30 薬石(晩ご飯)・入浴 19:30 映画鑑賞 21:00 開枕(就寝)
- 【2日目】
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03:10 起床 03:40 暁天坐禅(早朝の坐禅) 04:35 朝課(朝のお勤め) 05:30 諸堂拝観 07:00 作務(掃除) 07:50 小食(朝ご飯) 09:00 人形劇鑑賞 10:30 写経、写仏 11:30 中食(昼ご飯) 14:00 野外研修(愛宕山登山) 16:00 入浴 17:30 薬石(晩ご飯) 19:00 ゲーム 21:00 開枕(就寝)
- 【3日目】
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04:00 起床 04:30 暁天坐禅(早朝の坐禅) 05:10 朝課(朝のお勤め) 06:20 作務(掃除) 07:00 小食(朝ご飯) 08:00 感想文作成 08:30 閉講式 09:00 解散
朝4時前後に行われる早朝の坐禅、暁天坐禅。鳥やヒグラシの鳴き声がときおり聞こえてくるだけの静謐な空間です
イベントの模様
今年のテーマは「気づく力」。大勢の人と一緒に生活することで「気づく力」を養います。「気づく力」は、人へのやさしさやわかち合う心を持つための第一歩です。
今回の参加者は計88名。親子2名はもちろん、家族4名で、三世代で、個人でなど、日本全国からさまざまな方に参加していただきました。初参加の方が全体の7割ほどで、寺院関係者の参加もありますが、ほとんどが一般の方となっております。
2泊3日のなかで、坐禅や朝課、作務など、雲水(禅の修行僧)が毎日行っている修行を体験します。また、飯台(食事)や、入浴、トイレといったことも、一つひとつの作法を守りながら丁寧に行います。こうすることですべての行動が禅の教えを実感するきっかけとなるのです。
全日程が終了し帰路につかれる際、「来年、また戻ってきます」と言ってくださる方がたくさんいらっしゃいました。「親子で学ぼう永平寺雲水体験」が皆さんの「還れる家」になるよう、これからも取り組んでまいります。
精進料理は作法にのっとってゆっくりといただきます。そうすることで、自然と一つひとつの素材に感謝する気持ちが起こります
2日目早朝の作務(掃除)は、廊下の雑巾がけです。腰を上げた姿勢で、手に力をこめて廊下を磨き上げていきます
永平寺を一望できる愛宕山に登ります。疲れている子、困っている子はいないかな。みんなで助け合って力を合わせます